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zoom RSS 神話学による日本昔話研究2 古川のり子先生―1

<<   作成日時 : 2017/07/14 08:00   >>

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前回の続きで、古川のり子先生の研究をご紹介します。

古川のり子−1
出典:
吉田敦彦『縄文土偶の神話学』1986年、
付説 古川のり子「花咲爺伝承について」

花咲か爺の主な要素
@水界からの出現
A異常な成長
B犬が飼い主に富をもたらす
C犬の殺害と植物化生
D死体から生えた植物が飼い主に富をもたらす
Eその木(臼)を焼き、灰をまくことによって富を得る

→ハイヌウェレ神話との類似@〜Cまで
生きている間は様々な方法で飼い主に富をもたらし、
死んでその死体から植物を発生させている点で、
ハイヌウェレ的といえる。

→焼畑雑穀農耕との関連
古事記や日本書紀のハイヌウェレ型神話である
オホゲツヒメ、ウケモチの神話は、
死体から発生する植物が圧倒的に雑穀であり、
焼畑雑穀農耕と関連が深い。
大林太良によれば、記紀神話のハイヌウェレ型神話は、
焼畑雑穀農耕とともに中国の江南地方から日本に伝わったという。
その江南地方に主に伝わる伝承には、
花咲か爺の伝承ととても良く似た構造の話が幾つか見られるので、
花咲か爺のD〜Eの要素は、焼き畑雑穀農耕文化の影響であると考えられる。
特に「灰」の要素は、焼き畑において唯一の肥料であり、重要である。

→花咲か爺伝承の二つの層
花咲か爺伝承は、二つの層からなっている。
第一の層は果樹やイモ類を主作物とする
古栽培民文化を基盤とする話素、
第二の層は、焼畑雑穀栽培文化を基盤とする話素である。

瓜子織姫の神話も、上記と同様に二つの層から成り立っているという。
瓜子織姫が芋を好むこと、芋同様の殺害のされ方をしている点では
古栽培文化的。
天邪鬼が殺害され、
その血がついたので植物の茎が赤くなったという点では
焼畑雑穀栽培文化的である。

○沖田追加:「蛤女房とハイヌウェレ」
 「若い男のところに美しい嫁が来た。
男が外で働いている間に色々と御馳走を作ってくれる。
毎日の味噌汁が不思議に美味い。
不思議に思って出て行くふりをして裏から家を覗くと、
嫁はすり鉢で味噌を摺ってから、
これにまたがって中へ小便をした。
男は怒って嫁を追い出した。
嫁は大きな蛤になって這って行った。」
(柳田国男『昔話と文学』角川文庫、昭和46年より。)

柳田は蛤女房の小便のくだりは、
「いったいいつのころからこんなきたない
小便の秘密などになったかということは
むろん明確にすることはむつかしい」として、
何らかの変化をこうむった結果であると断じているが、
これは明らかにハイヌウェレ型の前半部分を表している。
「生きている間に排泄物として食物を出している」のである。
古くからの神話の名残をとどめていると考えられる。

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