沖田瑞穂の神話雑記

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zoom RSS 澤村伊智『ぼぎわんが、来る』を読んで: ネタバレ注意

<<   作成日時 : 2015/12/25 07:56   >>

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「ぼぎわん」とは:正体不明の怪物。
女性の姿で玄関を訪れる。家人の名を呼ぶ。
返事をしてはならない。入って来られたら、「山に連れて行かれる」。
勝手口に来られたらお終い。

第一章の主人公・田原の家に憑いているようだ。
その正体は、ばらばらに歯の生えた巨大な「口」であることが
終盤で明らかにされる。
襲われると獣に咬まれたような傷になり、衰弱して命を落とす。

家庭生活に苦しむ女性――さらに言うと、
夫に苦しめられる女性の恨みを糧に出現するようである。
田原の祖母、次には田原の妻。
その田原はぼぎわんに顔を齧り取られて死ぬ。
その子供も、母親の懸命の
努力にもかかわらず、
ぼぎわんに連れ去られる。
物語終盤で、ぼぎわんの正体が、
口減らしのために殺された子供であることが示唆されるが、
このあたりは、物語上、
「女性の恨みを受けて現れる」という特性との整合性が曖昧である。
この特性についてもう少し掘り下げてほしかったところだが、
物語後半は、超絶な力を持つ霊能者の女性と、
ぼぎわんとの死闘に費やされ、物語の閉じ方もやや物足りなさを感じる。

物語全体のテーマは、「家庭」「子供」「女性の苦しみ」だが、
相互の関連性――特に子供と女性というテーマの関連が、
うまく消化されていない。

ぼぎわんの、子供を喰らう「口」、そして女性、
というキーワードからは、「呑みこむ太母」の姿が見て取れる。
その点で、大変興味深い作品であると感じた。

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